歌仙「音ひとつなき秋空の巻」巻き上がりました
《連衆》 飛岡光枝、三玉一郎、氷室茉胡、柴田清栄、おほずひろし、斎藤真知子、上田雅子、齋藤嘉子、川村杳平、松井恭子、川辺酸模、喜田りえこ、青沼尾燈子、佐々木まき、長井亜紀、越智淳子、木下洋子、湯浅菊子、篠原隆子、岩井善子、北側松太、長谷川櫂(捌)
2018.8.28~10.22
【初折の表】
発句 踏み入りて音ひとつなし秋の空 三玉一郎(秋)
脇 落ちて砕けて芋の葉の露 まき(秋)
第三 山道の白骨照らす月凄く ひろし(秋・月)
四 砲身あげて朽ちゆく戦車 善子(雑)
五 断崖に哭きてしぶきの土用波 淳子(夏)
六 唐からの船いまだ帰らざる 光枝(雑)
【初折の裏】
初句 雨風に沈まんばかり大和島 まき(雑)
二 心しづかに方丈の庵 恭子(雑)
三 あれこれと捨てて清々しき朝 茉胡(雑)
四 パイプカットも怠りはなく 櫂(雑・恋)
五 色仕掛け女のほうが上手なり 櫂(雑・恋)
六 八重に一重に山梔子の花 清栄(夏)
七 宵寝するうちに上りて月涼し 光枝(夏・月)
八 いまだ終らぬ仇討の旅 善子(雑)
九 手すさびの木彫りの猿が評判に 恭子(雑)
十 雪解雫のまたにぎやかな 嘉子(春)
十一 孫ひ孫やしや孫もゐて花筵 松太(春・花)
折端 あつけなく醒む春のうたた寝 真知子(春)
【名残の表】
初句 生活はすべてロボット任せなる 茉胡(雑)
二 ナンパのほかはすることがない 櫂(雑・恋)
三 夕顔にそへたる歌の憎らしき 櫂(夏・恋)
四 嫉妬に炎ゆる身をもてあます 隆子(雑・恋)
五 鳥辺野のまだくすぼれる新仏 りえこ(雑)
六 いよいよ白き霜の夜の月 隆子(冬・月)
七 讃へばや癌撲滅へまた一歩 菊子(雑)
八 新薬会社の株価急騰 真知子(雑)
九 平成も疲れきったり新閣僚 ひろし(雑)
十 風に揺らるるあまた瓢箪 真知子(秋)
十一 村ぢゆうの狸集ひて月見酒 洋子(秋・月)
十二 互ひに腹を探り合ふ秋 隆子(雑)
【名残の裏】
初句 思ふより高く売れたる親の土地 真知子(雑)
二 移転拡張沖縄の基地 光枝(雑)
三 潮風か人魚の歌か海青く 善子(雑)
四 空夭夭と木の芽草の芽 まき(春)
五 美しき鬼の棲むなり花の山 まき(春・花)
挙句 覗いて見たき春の隠れ家 櫂(春)
五句 櫂(私の出番、1、2句で済むように)
四句 まき 真知子
三句 光枝 善子 隆子
二句 ひろし 恭子 茉胡
一句 一郎(発句) りえこ 嘉子 菊子 淳子 松太 清栄 洋子