古志鎌倉句会 2018年4月22日
席題=菜飯、畦塗
【特選】
畦塗りて天つ光のあまねしや 光枝
へうたんの二つ並んで朝寝かな 光枝
今年また葉桜となりもの思ふ 光枝
春愁の縁に腰かけ帰りて来ず 光枝
吉野山たけのこ掘りも来たりけり 英樹
この畦に悪口雑言塗り込めん 英樹
オロオロと花を見に出づ弱法師 福
放生の泥鰌永らふ日和かな 福
畦塗の済みていつもの景のあり じろ
格別に旨きわけでもない菜飯 美津子
畦塗の泥にまみれて一日過ぐ 康子
角落ちてからんころんと谷底へ 梅子
再婚もなかなかよろし菜飯かな 尚子
呆けても変らぬ技量畦を塗る 一雄
目をつむり体ゆらして草の笛 道子
心ばかり花もまじれる菜飯かな 玲子
畦塗の足黒々と乾きけり 益美
質実にして剛健の菜飯かな 片山ひろし
【入選】
生ぬるき水かけあつて磯遊び 益美
誕生の記念樹選ぶ植木市 益美
一房は山田菩薩か八重桜 美津子
そら豆の走りとあらば皮のまま 美津子
レシピ見て夫の作りし菜飯かな 祥子
たんぽぽや小山となりしボタの山 祥子
喜寿過ぎて菜飯の中の青きもの 伊豆山
春水に浮かべる目鼻河馬二トン 伊豆山
天保後のよき句の木の芽起しせん 遊歩
花嫁の父花嫁と歩む春 遊歩
行く春や佇ちて唐三彩の馬 道子
花にして花にあらざる牡丹かな 英樹
畦塗の人帰りゆく昼餉どき おほずひろし
石たたき山吹の瀬にひもすがら 明子
風の日や大き蜂来て花林檎 秀子
金色に畦塗りあげて千枚田 佳余子
畦塗つて田中の道を帰りけり 順子
何恋へばかくも全身花ふぶき 尚子
牛蛙苦吟苦吟とはやしけり 玲子
愛冷めてゆくやうに花すぎゆきぬ 一郎