朝カルで三浦雅士さんの「大岡信の射程」
講師:三浦雅士(文芸評論家)
演題:大岡信の射程 後白河院・道元・芭蕉
日時:2017年11月3日(金、文化の日)13:00~14:30
会場:朝日カルチャーセンター新宿
受講料:会員=3,024円(入会金は5,400円。70歳以上は入会無料、証明書が必要です)、一般=3,672円
<講師から>20代の大岡信はほとんど天才的な批評家だと思われていた。先輩詩人たちが大岡を理解魔と呼んだのは天才と呼ぶのが口惜しかったからである。近代詩も現代詩も戦後詩も大岡によって具体的な地図を与えられたのだ。だが、大岡の明晰な頭脳は嫉妬され、『折々のうた』以後は国民詩人として祭り上げられ、無害な大御所のように扱われるようになってしまった。そうすることによって損をしたのは大岡ではない。詩壇であり文壇である。詩人であり批評家であった大岡の仕事の射程の大きさとその核心を、『うたげと孤心』(岩波文庫・近刊)を軸に探る。(講師・記)
<講師紹介>三浦雅士(みうら・まさし)1946年、青森県弘前市生まれ。1970年代、『ユリイカ』『現代思想』の創刊、編集を手がけ、80年代、執筆に転じ、文学、芸術を中心に論じる。90年代、月刊『ダンスマガジン』の創刊、編集を手がけ、以後、舞踊をも広く論じ、現在は同誌顧問。主な著書に『私という現象』、『メランコリーの水脈』(サントリー学芸賞)、『身体の零度』(読売文学賞)、『青春の終焉』(伊藤整賞)など。2012年、『漱石』、『考える身体』、『出生の秘密』などの業績で芸術院賞恩賜賞を受賞。他に、『バレエ入門』『バレエ名作ガイド』『ブラヴォー』(ともに新書館)など、舞踊関係の著書も多い。