みちのく合同句会/2017年5月14日/会津若松、御薬園
☆第一句座
【特選】
串長き鰊田楽会津ぶり 佐藤和子
水涼し明日餅になる米沈む 宮本みさ子
レコードに針置くやうに黒揚羽 武藤主明
根も莢も薬となりて乾びけり 岩井善子
あだたらにあだたらの空夏来る 甲田雅子
まだ泥のしづまりきらぬ植田かな 葛西美津子
さむしろの上で百草闘はす 北側松太
【入選】
ぼうたんの香に酔うてゐる牡丹かな 北側松太
代搔きの人につき来る鴉かな 岩井善子
磐梯の全容映る田植かな 宮本みさ子
雪渓は刃のごとし磐梯山 葛西美津子
夏の灯のしづかに炎ゆる会津かな 藤英樹
ひとひらの牡丹ほぐれて女かな 鈴木伊豆山
☆第二句座
【特選】
白虎隊大緑陰に眠りをり 藤英樹
草の中より二三本夏わらび 岩井善子
ゆるやかに風押しかへす牡丹かな 北側松太
【入選】
マッチ棒こぼせるごとく桜の実 北側松太
柏餅残りし一つみどり濃く 石原夏生
水満ちてやまとうるはし田を植うる 石原夏生
西出丸北出丸へと花吹雪 武藤主明
息吸うて身の青みゆく芽吹山 甲田雅子
薫風に鳶遊ばせて天守閣 北側松太
鶴ヶ城大万緑の中にあり 藤英樹
田植機の跡深々と水の底 宮本みさ子
☆第三句座
【特選】
三座目の力となれや柏餅 葛西美津子
【入選】
夏落葉かくも静かに散るものか 岩井善子
水音の会津いづこも桐の花 北側松太
湖暮れて葭切の声なほ止まず 藤英樹