うたたね歌仙「リラの花の巻」巻き上がりました
・歌仙で大事なのは転換。連想ゲームではありません。
・そのためには前の句のみにとらわれず、頭を全方位に開いておくこと。
・つまり俳句(取り合わせ)とまったく同じです。
・今回、私の出番多すぎです。とくに恋の場面。次回「コロナ退散の巻」そうならないように。
《連衆》田原春、篠原隆子、森恵、湯浅菊子、川辺酸模、齋藤嘉子、青沼尾燈子、松井恭子、上田雅子、三玉一郎、池田祥子、安藤文、佐々木まき、大西朝子、岩井善子、高橋慧、飛岡光枝、長井亜紀、越智淳子、玉置陽子、西川遊歩、藤野智子、北側松太、長谷川櫂(捌)
2020年5月29日~7月28日
【初折の表】
発句 疲れたる世界に香れリラの花 高角みつこ(夏)
脇 看護師配る冷やし中華よ 春(夏)
第三 長江は十重に二十重に大蛇行 隆子(雑)
四 七夕竹に日常の文字 陽子(秋)
五 月照らす三十七万人の死者 雅子(秋・月)
六 こぼれこぼれてとめどなき露 善子(秋)
【初折の裏】
初句 攫はれし我が子を待ちて五十年 隆子(雑)
二 肌身離さず思ひ出の櫛 恭子(雑)
三 帰り来し夫は石ころ箱の中 光枝(雑・恋)
四 屍で埋まる撤退の道 善子(雑)
五 夫婦して選挙違反のお白州に 櫂(雑・恋)
六 切れ長の目の蛇交尾むなり 櫂(夏・恋)
七 迷ひ来て荒れ放題の山の寺 松太(雑)
八 仏法僧の鳴く真夜の月 智子(夏・月)
九 仇討ちはとうに諦め子の五人 光枝(雑)
十 目に沁み入るは目刺のけむり 松太(春)
十一 コロナ禍の今年の花は冷え冷えと 松太(春・花)
折端 死者を数へる春のあけぼの 雅子(春)
【名残の表】
初句 エッフェル塔のぼる階段青嵐 慧(夏)
二 こどもの掏摸の手際あざやか 恭子(雑)
三 あざやかにオペラの舞台暗転す 祥子(雑)
四 銃弾響く恋の幕切れ 松太(雑・恋)
五 光つつ呼び合ふ夜空星二つ 祥子(秋・恋)
六 朝の垣に真白き木槿 善子(秋)
七 洪水の深き爪痕月照らす 祥子(秋・月)
八 七色の雲富士にかかれる 亜紀(雑)
九 象一行江戸を目指してのしのしと 光枝(雑)
十 胴黒々と潮吹く鯨 陽子(冬)
十一 新婚の二人まぶしむ雪の朝 酸模(冬・恋)
十二 天女の体位いざ試みん 櫂(雑・恋)
【名残の裏】
初句 遥かなる島影めざすホモサピエンス 森恵(雑)
二 太陽風に遊ぶはやぶさ 一郎(冬)
三 しづかさのいまだ雪つむ山の村 隆子(春)
四 よき枝ぶりに掛けるふらここ 雅子(春)
五 大空へ幾重に花の波しぶき 隆子(春・花)
挙句 春の行方を隠す風塵 櫂(春)
四 隆子 松太 櫂(捌)
三 善子 祥子 光枝 雅子
二 恭子 陽子
一 高角みつこ(発句) 春 智子 慧 亜紀 酸模 森恵 一郎